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『緊張する』という技術 [7つの原理]

アレクサンダー・テクニーク7つの原理。一昨年に一通り楽器演奏の現実と照らし合わせた意味や解釈を書き、このブログでも掲載しました。先日より全ての原理をもう一度振り返り、いまの理解から書き起こす作業を始めました。

きょうはアレクサンダー・テクニークの専門用語のなかで「抑制」と呼ばれる考え方についてです。

心理学の「抑圧」とは全く無関係の意味で、ひとことで言うと、「クセが起きないようにする」という意味です。

実は、この「起きないようにする」というのは大事なポイント。「クセを解消しよとする」のではないからです。

クセって、否定的な意味や文脈で捉えるのが普通ですが、それはその「クセ」と呼んでいるものが自分の邪魔になっているからですよね。「クセ」が「考えなくても勝手に出てくる」ものだとすれば、実は「技術」も同じです。意識的に取り組み作り上げ、繰り返して練習した結果として考えなくてもできるようになっているもの。それは「技術」です。

では、「クセ」と「技術」はどう違うか。実はそれ自体としては同じです。結果的に起きていることが、自分のためになっているか/なっていないかだけが分かれ目なのです。

そこで大事なのは、「クセ=悪者」という考え方をちょっと変えてみること。クセ=立派な獲得技術と捉えてあげてみてはどうでしょうか。

いつかの時点で、いまは「クセ」といて邪魔者扱いしている現象も、必ず自分に奉仕してくれていたのです。例えば、高音を演奏すると、ガチガチに身体を固めてしまう。これももちろん、今では自分にマイナスに働いている「クセ」ですが、昔のいつかどこかで、しっかり役目を果たしていました。

高音は、もちろんエネルギーや何かしらの力を必要とします。歌、管楽器、そして弦楽器に共通して言えることです。だから、むかし初めてその高音にチャレンジしたときは、エネルギーや力の出し方がまだまだ荒削りで、全身を思いっきり使わないと出せなかったのです。あるいは昔はその力すらなかったから、力を振り絞るほかなかったことすらあったかもしれません。

そうやって努力しているうちに、段々音が出せるようになってきた。ここまでは、今では「クセ」となっているものも、しっかり役目を果たしてくれる、立派な技術だったのです。

ところが、本当ならその技術はもっと精度の良いものに置き換えられて行くはずだったのですが、何らかの理由で使い続けてしまっており、そのためにすでにもっとラクに確実に無理なく演奏できる技術を持っているのに、その邪魔をしてしまっているわけです。

そこで必要な作業は、「自分の望むような技術・やり方意図的に選択し直す」ということなのです。いつもは音を出しにかかると、力むクセが現れるとします。それに気付いたら、ちょっと立ち止まって、「力まずに演奏する」ということを選択し直す必要があるのです。

なお、「力まずに演奏する」と言っても、人や場合によって色々な状況があります。

1:力まずに演奏するということが割とできる人なら、「力まずに」演奏しようという選択を意図的にすればそれでよいでしょう。

2:常に力みっぱなしなら、力みとはすなわち何をやっているのか知り、そして力んでいない演奏の仕方のために必要な手順を知り、そしてその手順を力みに気付いたときに立ち止まって選択し直します。

例を挙げましょう。

クセ:
高い音を演奏すると首を押し付けてしまう。

立ち止まって考える:
では高い音を演奏するのに首の押し付けは必要?必要ない。では何が必要だろうか。

力まなくても達成できる方法:
たとえば弦への指からの圧力だとすると、仕事は首ではなく腕。特に肘の動き。

立ち止まって選択し直す:
高い音を演奏するとき、自分は指で圧力をかけよう。その仕事は腕に任せよう。

3:力んでいて、かつまだできたこともない(例:まだ出せたことのない高音)という場合には、できるようになるまで繰り返しつつ、その際に「力まない」という選択や力まない手順を選択をし直し続ける必要があります。

あなたはどのケースでしょうか?

力む=技術なのです。これは繰り返しで身に付けた立派な獲得技術です。だから、力まない=技術なのです。繰り返しが必要です。ただし、「力まない。そして代わりにこうする」という意識的な選択を実行を繰り返す必要があります。

その際に、「前のクセを起こさない(選ばない)ような、新しい選択を実行するプラン/思考/アイデア/指令/動き」=『抑制』と言います。

演奏の技術を向上する、重要なカギです。お試しあれ!


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ワークショップ・レポート 管楽器&アレクサンダー・テクニーク in 梅田 2012.1.22 [生徒さんの声]

管楽器のためのアレクサンダー・テクニーク。今度は梅田でも開催しました!京都育ちの私としては、関西でセミナーをやるのは知り合いも多くて特別楽しく感じます。今回は以前からメールでやりとりしていた方や、直接知り合いの方、そして参加者同士で知り合いだったりで、楽しい雰囲気で盛り上がりました。

参加者の声を、ご紹介します。

福盛貴恵さん(オーボエ・京都市立芸術大学在学)
身体の構造を知れてとても良かった。ワークショップなので様々な人の悩みや変化を見ることが出来てとても為になった。また大阪でセミナーを企画してほしい。頭を自由に動かせることを意識して、練習・本番の時に活かしたい。今日はありがとうございました。

高木修一さん(トランペット)
以前からアレクサンダー・テクニークに興味があり、体験したいと思って参加しました。頭を動けるようにしてあげる、という大事なポイントをしっかり押えつつ参加者個々の問題に対応されていたので、理解がしやすかったです。自分で考えられるように的確に質問を投げかけていたのも良かったです。もう一度解剖学や運動額の勉強をし直してみようか、とも思いました。イメージのちがいや音が出易くなった実感ができたので、練習に活かしたいです。


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岩崎誠さん(ホルン)
バジルさんのブログを読んで興味を持ち、参加しました。ワークショップでは個人個人見てもらえて良かったです。他の人の質問や疑問を聞いて、共感出来、それを自分も解決できるところも良かったです。誘導的に「どうなった?どう感じた?」と問いかけてもらうことによって、自分が感じていなかったことを感じることができました。普段よりラクになりましたから、教わったことを活かせそうです。

小郷晴美さん(ホルン)
背中の疲れが気になって、参加しました。参加してみて、他の人の様子が観察出来たこと、直接ハンドテクニック(?)を受けられたこと、明確な変化が感じられたことが良かったです。調子が悪い時に思い出すと良さそうです。

古市道和さん(ホルン)
バジルさんが大阪でセミナーをやると知り、参加しました。自分のことはもちろん、他の人の状況を見ると自分に置き換えて理解することができて良かったです。普段やっていることの、ちょっとしたことを変えるだけで、ラクになったり、良くなったりする。ぜひ試して行きたいです。演奏活動全般に活かせそう。京都ファインアーツブラスにも興味を持っている人がたくさんいますので、いつか出張レッスンもお願いできたらいいな、と思います!


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正月義之さん(トロンボーン講師
気になっていたことが知れて良かった。肋骨と背中の関係がほんの小さな動きでさまざまな影響を与えていることが分かった。他の参加者の話をたくさん聞けて、プラスになった。楽器を吹くことがもっと楽しくなりそうです。

木下雅道さん(ウィンナー・ホルン)
アレクサンダー・テクニーク、本を読んだりしたことはありましたが、体験してみたくて参加しました。自分自身の変化についてはよく分かりませんでしたが、他の参加者の姿勢や音が変わるのが分かって面白かったです。お腹の圧力を考える時、「息を上に送る」というアイデアに変えてみたいと思います。

H.T.さん(トロンボーン)
管楽器の専門家でもあるバジルさんのアレクサンダー・テクニークを受けてみたくて参加しました。参加者の音質の変化がよく分かりました。音質がオープンになり、音色が良くなります。管楽器の専門家の方のレッスンなので悩んでいる問題を容易に理解してもらえますね。呼吸時の筋肉や口周辺の筋肉の動きを発音や音質改善につなげたいです。


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I.N.さん(ホルン)
個人練習の成果がオケでの練習や本番で出せないことが多く、それを改善するために参加しました。ラクに音が出る感覚が非常に良かったです。あとはどのように実践に活かすかを考えて、自分のものにしていきたいです。

Y.M.さん(プロ・クラリネット奏者)
メルマガやブログを読んでいて、自分のうまくいっていない問題を解決する糸口が見つかると思って参加しました。今まで考えたことのない事や意識しなかったことに気付く事が出来て、それをやめることで身体を自由にラクにできることが体験できてよかったです。またワークショップやレッスンを受けて、もっと深くアレクサンダー・テクニークのことを知りたい、体感したいと思いました。これからは、今までしていた悪いクセが出てきたときに意識して、良い方に身体を持って行けるようにしたいです。。

S.Y.さん(ファゴット・音大生)
管楽器のためのアレクサンダー・テクニーク、ということで知りたい事がたくさん知れそうだと思って参加しました。本やメルマガ、ブログで読んでいた事が、バジル先生に直接触れてもらえたことで、どこをどう意識すれば良いか、すっと入って来た感覚がありました。自分だけでなく、他の方々の変化をはっきり実感する事ができたのでとても面白かったです。普段の練習で活かしたいです。


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ワークショップ・レポート 管楽器&アレクサンダー・テクニーク in 目黒 2012.1.20 [生徒さんの声]

管楽器のためのアレクサンダー・テクニーク。待ちに待った東京目黒での初ワークショップは、鋭い好奇心と吸収力を持った参加者のみなさんのおかげで、とても充実したものになりました!

参加者の声を、ご紹介します。

峰崎芳樹さん(プロ・トランペット奏者)
様々な方が参加していて、様々な角度から話が聞けたのがよかったです。実技に合わせたアドバイスが分かり易く、もっと受けたいと思いました!非常に役立ちました!

竹内慶貴さん(ホルン・東京音大)
様々な人のレッスンを見ることが出来て、自分でも活かせそうな部分を発見出来ました。人によってそれぞれの問題点が見つかり、それを自然な状態に戻して行くプロセスが自分にも応用出来ます。身体の自然な状態を思い出して、楽に吹くことに活かせそうです。

山田達哉さん(ホルン)
首の力が抜けると、股関節など身体が連動する感じがつかめました。頭を意識すると首の力が抜けること、肩の力と首の力が連動すること、楽器を腕で持ってくること、頭を意識して股関節から胴体を前後させて身体を思い出すことなどを学べました。アレクサンダー・テクニークは「自分の身体を愛してあげること」とも言えるな、と思いました。

M.M.さん(プロ・ホルン奏者)
他人の観察をすることによって自分自身の問題点あるいは課題を発見することができました。頭の動かし方によってすべてが変容するというアプローチが良かったです。自分の演奏だけでなく、指導する上でも助けになると感じました。

S.C.さん(フルート講師)
バジル先生のレッスンに興味を持って参加しました。参加者の皆さんの身体の変化と、それに伴う音質の変化がはっきり見えました。練習時の意識が変わる気がします。

E.S.さん(ホルン)
ホルン奏者のアレクサンダー教師だったことが決め手となって参加しました。管楽器演奏のための身体の使い方が直接活かせるので、非常に実戦的だと思いました。アレクサンダー・テクニークはもっと複雑な印象がありましたが、意外とシンプルだな、と感じました。文章で読むだけだとピンと来なかったのですが、実際に教えてもらうことでよく理解出来ました。どこに力が入っているか具体的に教えてもらえて、何を意識すればよいか個々にアドバイスをもらえたのが役立ちました。

K.T.さん(ホルン)
楽器をラクに吹けるようになりたいと思って参加しました。自分の抱えている腰痛も気になっていました。参加してみて、もっと自由に吹けるようになりそうです。今まで首が動かず、立つとひざのあたりにばかり重さがあったのが、頭のことを考えただけで体重が分散され、全身がラクになったばかりか、気付けばいつの間にかずっとあった腰痛が感じなくなっていました!

K.K.さん(プロ・ホルン奏者)
1度バジルさんの個人レッスンを受けて、もっと色々知りたくなって参加しました。個人レッスン以上に、客観的に他の人の変化が見れたのが良かったです。ホルンを吹くことがもっと楽しくなりそうです。

T.M.さん(プロ・ホルン奏者)
ホルンを吹くにあたって、調子の良い時悪い時の差がものすごく大きいはなぜかを知りたいと思い参加しました。頭への意識ができることによって、無意識にやってしまうことが減らせそうです。「動かす」ことと「動ける」ことのちがいをこれからは意識したいです。人それぞれだと思っていた問題の根本が見えてきました。これをしなくてはいけない、と決めつけないところが良かったです。やれば自然にできることを、無理にやろうとしないように、これからは意識したいです。



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8重的なものの見方。 [アレクサンダー・テクニークについて]



先週の土曜日に、アレクサンダー・テクニーク教師養成授業に通訳兼務で出席し、ホルンの演奏について、校長のジェレミー・チャンス先生に観てもらいました。

その様子を撮影した動画です。

このレッスンを受け終わって、自分の中に印象や学びとして定着していたのは、

「ホルンを持つとき、腕全体が動く。腕も自分全体の一部に含む。腕とは肩甲骨の動き、そして手首の動きも含む」

というものでした。

それについて書こうとこの記事を書き始めたのですが、動画を観ていると、ジェレミー先生が実はそういう身体意識のみならず色んなレベルでレッスンをしてくれていたのが分かりました。その推移を文章に書き起こしてみようと思います。

スタート
その日、どうも楽器を手に提げつつ走ってきたのがまずかったか、腕につながる背中の下部の筋肉に張りがあり、それに胴体が引っ張られている傾向がありました。それが気になっていましたし、時々こういう状態になるときはあります。そういう状態のときって、楽器も吹きにくいので、そこから会話を始めました。

自分が「張らせている」
背中の下部が張るんだ、言っていると、先生が「『自分がそこを張らせている』という言葉で表現したらどう?」とさりげなく言いました。ビデオを観ていて分かったのですが、「自分が張らせているんだな」という認識をはっきりさせたことで、どうやら『自分が何をやっているか』に観察が向いたようで、このときに少しパターンが変わりました。

頭と腕と背中の連動
まず吹いてみて、ときどきある状態ですが「背中下部が張り、頭が後ろに引っ張られて動きにくい」状態になっているのが分かりました。それについて「連動しているのは分かるけれど....」と言っていると、先生が「同時に気付きはしないかもだけれど、同じパターンの中にあるよね?」と言いました。ビデを観ると、腕の筋肉が背中を覆っているわけですが、それが引っ張っているのがよく分かります。そして、振り返ってみると、レッスン中もこの言葉が契機で「腕だな」ということが分かっていました。

何を意識したいか
普段は、吹いているうちに自分の傾向に気が付き、気が吐くうちに傾向が消えていきます。そのことを話すと「じゃあ、そのときどういうプロセスを使って変化を起こしているの?」と聞かれました。これで、「背中を張らせること」を『やめる』何かしらの意識をしている事実があることを指摘されたわけです。それなら、突破口はそこにこそある。

どうやって意識するかー基礎編ー
意識すべきことが分かって来たとき、それでもまだどうも建設的とは言えない意識=緊張を生む思考が混ざっていました。そこで先生に「じゃあ、混ざらないで済むような『意識するプラン』はいったいどんなものになる?」聞かれました。その「混ざらない」という言葉を聞いたとき、なぜ混ざっていたかが分かりました。どの音をどのように吹くか、という目的意識が明確でなかったのです。そこで、
何を吹くか決めて、頭が動けるようにしてあげて体全体が動けるようにしてあげて(=どのように, 協調作用のプラン)吹く」
という明確な意識を選ぶことができました。そうやって吹くと、だいぶ吹き易く、身体の緊張も減っており、動いて欲しい所が動いていました。一度目にアルペジオを吹いたところです。

どうやって意識するかー発展編ー
ここで先生が「進歩したね。でも望んでるような事が起ききっていないのも分かるよ」と入ってきました。その原因が、もうちょっと細かい腕の使い方にあるとのこと。興味深いのは、腕の話はここまで進んで初めて言及があったこと。「困った存在」として「腕を直しにかかる」のではなく、全体的の基礎的な意識が建設的なものになった時点で、特定の部分の話をし始めたわけです。全体→部分というアレクサンダーテクニークの原理がここにも表れているのが、すごいです。

腕の動き
先生「楽器を持ってきて当てたい角度いするのに、手首手伝ってくれるようにしてあげよう。」つまり手首を固めていたということ。そこでアルペジオ(二度目)。ビデオで観てると、マウスピースとアンブシュアの角度形成がずいぶんやりやすそうになっています。その次に、腕全体の話を始めます。肩甲骨から腕構造全体が楽器を動かし、支え、操作する。腕全体が必要な動きをやれてマウスピースを望んでいる場所と角度に持ってきてくれる。そういうアイデアです。手首から腕全体の話へスイッチしているのが、興味深いですね。おそらく、私の意識が手首に集中していたことが見えたのだと思います。また、腕全体が動ける、という意識と先生がジェスチャーで示している動きのイメージを観るに、腕が軸からは自由に動けるものであることを思い出させてくれているように思いました。そう考えると、背中を張らせるのって、腕と軸をつなぐ筋肉ですから、そこを解放してもいるわけです。このときにモーツァルトを吹いています。ものすごく吹き易いし、音の伸びも強かったです。部屋の雰囲気も変わりました。



一体、先生はどこまで多重的に見えているんだろう?動画を客観的に振り返ると、そのときに私が得たこと、感じたことを、先生が私の動きや言葉を手がかりに導く過程と対比させてみて、驚嘆すべきものがあります。

私はレッスン中、まだせいぜい3重的にしか考えたり観たりできません。ベテランのアレクサンダー教師たちは、たぶん8重くらいいってます。そういうものの見方ができるようになったら、楽しいだろうなあ....。



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管楽器&アレクサンダー・テクニークのワークショップ・メモ 1.20&1.22 [ワークショップ]

きょうと日曜に行う「管楽器&アレクサンダー・テクニーク」ワークショップの内容を考えるに当たって書いたメモ。見るだけでも少しはおもしろそうなので、公開します。

意義
・ 悩みを解決する/解決のヒントを提供する
・ これから「こうしたらいいんだ!」という希望を持ってもらえる
・ 持って帰って使って試して発見と成長を続ける「プロセス」を手渡す

目標
・ もっとラクになる
・ もっとうまくなる
・ もっと楽しくなる

事前に把握している参加動機
・身体の良い状態を保って、話しやすく歌いやすくしたい
・力任せなハイトーンを改善したい
・バジルのブログやメルマガを読んでいて、問題意識への最良のヒント/回答がありそう
・口の筋肉—喉の関係/息を吐く筋肉のメカニズムを知りたい
・どこの力が必要で、どこの力が不要か知りたい
・音が上がるにつれて、右肩甲骨に力が入ってします。それを変えたい。
・高音を安定させたい。昔できていたことがなぜか出来ないから。
 身体の硬直、特に左側に気が付く。解決の糸口が欲しい。
・首から背中上部にかけての疲れが気になる。お腹に力を入れると、
 それが背中や首に影響していないか?解決の糸口が欲しい。
・アレクサンダー・テクニークに以前から興味。
 好不調の波、アガリ症を解決したい。一瞬の好調に確信。それを偶然でなくしたい。
・すでにアレクサンダー・テクニークを習っており、別のやり方も体験してみたい。
・息を入れて音を出す。これのリラックスを追求したい。発音の安定、発音の不安の解消。
・上手な息の吐き吸い。たくさん吸ってたくさん吐きたい。本番前の緊張克服。
 
必ず伝えたいこと
・ これから、自分で常に成長できる方法がちゃんとあるということ。
・遺伝的な病気や重い怪我でも無い限り、どんな不調やスランプでも必ず脱出し、
 その前よりうまく なっていく道筋があること。
・自分には素晴らしい能力があり、それは引き出されるのを待っているこ と。

最低限持って帰って欲しいもの
・「頭を動けるようにしてあげると身体が呼応して動く」。
 すると吹きやすくなるという体験と実感。
・それを、楽器演奏時に使ってみたいという興味。
・これから楽器演奏時に使おうという発想。

持って帰らせてあげたいアイデア
・身体は、そのつくりに沿って動かすとうまくいくこと
・身体の現実に沿ったイメージ
・イメージした方が、意識するよりうまくいく
・身体は言う通りのことをしてくれる
・身体と自分の能力を信頼し、任すこと
・「こんな自分でいいんだ」という実感

教える自分自身が、自分自身のなかで意識しておきたいこと
・話すときに、「頭を動ける様にして、身体全体が呼応して動けるようにする」という指令
・自分への優しさ、親切さ。
・身体への明確で強いリクエスト。でも応えなくても完全にOK。
触れる時に、自分の頭が動き身体が動くことを明確に考え、
 相手もそれと同じことを考え頭が動き身体が動くことをイメージする。
・間を取る。間を怖がらない。間を歓迎する。
 間があるあいだ、自分への優しさ親切さを与える。
・ネガティブ動機による衝動の代わりに、直感/親切さ/頭が動き身体が動くなかから、
 浮上するものを選択する。
・持って帰ってもらえて、そのあと自分で使ってもらうことが一番の意義。
 ワークショップのその場を超えて、そのあとに使ってもらえれば、
 それで本当の貢献ができるから。
・「ワークショップ後に役立つようにする」という意図を明確にし、
 そこにインテグリティを持つ。

当日の流れ
・ 頭/脊椎/身体全体のこと
・動作のなかでの、頭/脊椎の関係と効果
・実際に楽器に使おう!



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管楽器&アレクサンダー・テクニーク@尚美ミュージック! [生徒さんの声]

昨年12月15日、東京は春日の尚美ミュージック&メディアアーツ専門学校より、管楽器専攻の学生のみなさまはを対象としたアレクサンダー・テクニーク講座講師としてご招聘頂きました。

6月にも一度、BodyThinking 講座にご招聘頂いており、前回に続いてとても温かく、そしてヴィヴィッドな興味好奇心を以てお迎え頂きました。そのときのことは、以下よりどうぞ。

管楽器奏者のための BodyThinking @ 尚美 
・ワークショップレポート
・参加者の声

今回は、まだ仮免許の私ですが20人を超える大人数の講座を教える機会を頂き、とても良い経験になりました。しかしまあ、学生の皆さんは若くて感性がするどいし吸収が速い!繊細な動きの違いもしっかり感知して、みんな即座にそれを演奏に応用してのけており、自らが成し遂げた音の変化やテクニックの向上に自分でびっくりされていました。


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でも一番びっくりしたのは、そんなみなさんを見ていた私の方です。
本当に愉しかったです。ありがとうございました。

今回はとても興味深いフィードバックを頂きましたので、
受講者のみなさまの声をここにご紹介致します。


和田紗季さん(ファゴット)
意識するだけでこんなに変わるのか!と感動しました。これから毎日これを使ってリラックスや良い音色をできるようになりたいです。緊張のことについてもよく分かりました。レッスンや発表会でも意識したいです。実際に体験すると、自分を苦しめていたクセがあったのも分かったし、すぐに直ったので、参加してとても良かったです。これからも意識して使って行きたいです。ありがとうございました!

山田亜由子さん(クラリネット)
身体が硬く感じたり、指に力が入ったまま速いフレーズを吹いてしまう自覚があるのに、自由に動かせず長時間吹いていると右腕が痛くなるといったことを改善したく参加しました。参加して、頭の位置や腕のついている位置を意識することでリラックスできると感じました。血流の変化もあり、今までより自然に吹けるのではないかと思っています。冷え性で悩んでいたことまでまさか解決の糸口が見つかるとはおもっていませんでした。横隔膜のこと等、知らなかったことばかりでとても参考になりました。

青木文美さん(クラリネット)
前回の講座がおもしろかったのでまた参加しました。頭を動かすこと、ムダなことをせず関節だけを動かすように意識すればもっとラクに演奏できるようになると思いました。楽器の持ち方や姿勢等などを意識するだけで楽器の響きが良くなったり、フレーズがなめらかになるのが、自分だけでなく他の人にも起きているのを感じて少し驚きました。演奏以外の普段の生活にも役立ちそうです。

中村駿さん(ユーフォニウム)
体験してみて、見ため以上の効果があると実感できました。学校へ指導に行く時に参考になります。頭の場所を意識する、というだけで体全体が非常に楽になりました。楽器を吹く時もリラックしてやれそうです。

森雅人さん(ホルン)
前回も参加しており、アレクサンダー・テクニークに興味があるので参加しました。姿勢についてはネットや本などで色々と知識を得ていましたが、今回の口座で、その姿勢へもっていく道筋というか、どういったことを意識すれば結果的にその姿勢へ導く事ができるのかがよく分かりました。自分なりに考えていたことと、バジル先生のおっしゃっていることの多くが共通していてホッとしました。これからはもっと深めていって色々な場面に応用出来るようにしたいです。新たな発見があり、とても良かったです。

瀬古みず紀(サックス)
とても面白かったです。本番の時に緊張しないですむ方法が分かりました。とにかく頭を動けるようにしてあげることを心がけようと思います。


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石山佳奈さん(サックス)
演奏をする時の体の仕組みに興味があり、また左手の痛みが気になっていて参加しました。参加してみて、スムーズに力まずに演奏ができるようになりそうです。ありがとうございました。

荒川清香さん(サックス)
前回参加して、すごく良かったのでまた参加しました。普段の姿勢も良くなりそうです。上手くいかないときに、テクニック的なことだけではなく、頭のイメージを意識的に持つと良くなりそうですし、精神的にもポジティブになれそうです。どうしてうまくいかないんだろう、とイライラしたときや、どうしたらいいかわからないときに、技術的なことばかり考えて余計に力が入り、楽器を握る力も強くなっていました。おそらくその時に頭から下に圧力を作って知らず知らずのうちに自分で自分を苦しめていました。ですが、楽器を吹く以前の問題で、体の意識を変えるだけで、あるいは体に意識を向けるだけで、直ることも多いと気付きました。これから毎日意識して身につけたいです。ありがとうございました!またお願いします。

T.M.さん(トランペット)
個人レッスンをバジル先生に習いにいって学んだ事の再確認が出来て、自分の中の考えと体を整えることができました。異なる楽器の参加者たちの質問に対しても、自分に活かせそうな答えがありました。他の人達の見た目の変化が見えてびっくりしました。

M.U.さん(クラリネット)
前回も参加して分かりやすく色んなヒントを得られていましたが、消化しきれていないものもあったのでまた参加しました。体が硬くなりすぎて指が動かなくなってしまうことが多いのですが、これからは「硬くならないように」ではなく「頭が動くようにしてあげよう」と意識することが大事と知れて、少し意識するだけでも変わるかも、と希望が持てるようになりました。腹筋の使い方や緊張した時への対処、頭の位置等が参考になりました。

I.M.さん(ホルン)
自分の良い音を見つけたくて参加しました。息の通り道をしっかり作ってあげて、息を上手に使う事に活かせそうです。肩のコリも取れそうですし、高い音にもとても活かせそうです!

W.K.さん(トロンボーン)さん
楽器を吹く時に今でとは少し異なる方向から考えて吹く事で、かなり吹奏感が変わりました。頭や体のことを感じながら吹いた時には余計な事(音が外れることとか、人の視線とか)を気にせずに演奏できました。頭や体を意識しながら練習してみようと思います。

M.Y.さん(フルート)
頭の重要性を知りました。無理な力を入れない事、腕も本当の付け根を意識するだけで力の入り方や構え方も変わって来る。実際に頭がふと軽くなる感じが体験できてよかったです。本当に上手なプロの演奏家は、常に自然な状態で吹いているな、と気付きました。

O.S.さん(サックス)
腰痛がラクになりそうです。頭の位置や腕の付け根の話には驚きました。腰の痛みも良くなり、呼吸もラクになりました。緊張した時のメンタル面と体の事や腹筋の使い方も勉強になりました。

H.U.さん(フルート)
前回の内容が役立ったためまた参加しました。腹筋の仕組みと姿勢について教えて頂いたので、自分のフルートの先生の教えともつながりました。これからは理解したうえで練習できそうです。体の意識だけでなく、考え方から変えることで吹き方や姿勢が変わっていくので、面白いと感じました。

A.U.さん(サックス)
自分の体の状態が分かって、体の使い方も知れました。

K.K.さん(ホルン)
立った時の姿勢がもっとラクになりそうです。他の人の違いが見られて面白かったです。復習して活用していきたいです!


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『やっていること』と『起きていること』の関係 [7つの原理]

アレクサンダー・テクニーク7つの原理。一昨年に一通り楽器演奏の現実と照らし合わせた意味や解釈を書き、このブログでも掲載しました。先日より全ての原理をもう一度振り返り、いまの理解から書き起こす作業を始めました。

きょうは、アレクサンダー・テクニークのなかで使い方が機能に影響する』と表現されている考え方について説明します。

アレクサンダー・テクニークの発見者、F.M.アレクサンダーは本人が俳優だったのですが、自分自身が声を出せなくなってしまったことをきっかけに「自分がやっていること」をそれまで誰もやってこなかったような徹底ぶりで観察を何年も続け、今ではジュリアード音楽院など世界中の最も優れた音楽や演劇の教育機関で教えられている重要な事柄をいくつも発見しました。

そのうちの一つがこれ。『使い方が機能に影響している』ということ。これはもっと日常的な言葉で言うと『起きていることには、自分がやっていることが関係している』という意味です。

一見、当たり前に思えます。自分に起きていることは、自分がやったことを原因とした結果であったり、自分がやっていることが大きな影響を持っている。

しかし意外にわたしたちは、「自分に起きていること」と「自分がやっていること」を全く別物に考えていることが多いのです。

アレクサンダー・テクニークでは、虫歯になった歯を治すことより虫歯を生む生活習慣を正す、そういうタイプの発想で「動き」や「身体」を考えます。

音楽演奏の具体例から見てみましょう。


呼吸

多くの人が、呼吸について悩んでいたり、改善・向上を望んでいたりします。

「もっと息を吸えるようにしない」
「緊張すると息が吸えない」
「息が安定しない」

などなど。

そこで、呼吸トレーニングをしよう、筋トレをしよう、正しい呼吸法を身につけよう、という発想になるわけですが、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

確かに呼吸という機能/側面において不備や不満を感じているわけですが、それは本当に呼吸が原因なのでしょうか?呼吸が悪いから呼吸を改めよう、という発想は果たして本当に呼吸を改善してくれるのでしょうか?

現実には呼吸は全身運動です。ということは全身の状態が呼吸と密接不可分に関連しています。

参照:
・大腰筋〜姿勢と呼吸の関連〜
・腕と呼吸の関連

すると、呼吸において起きていることは、呼吸だけを見て理解できるものではなく、(太)呼吸をしているときに、自分が身体全体で何をやっているか(太)を見ないことには、必要な理解が得られないのです。




ピアニストや弦楽器奏者にとっては、腕は大きな関心事です。

肘が痛かったり手首が痛かったり、上腕が強く張ったり。
フォームとしての腕の角度や、テクニックとしての手、指、腕の動きもまた大きな関心事ですね。

しかし、まずはそうやって「腕」に注意が向いているとき、
おそらく肩口から先の部分にしか注意が行っていないでしょう。

それは「腕のはたらき」という結果がそこに現れているからです。
ですが、腕というものは構造的に胴体とつながっています。
(参照:・腕と呼吸の関連

すると、腕に起きていることの多くは、胴体で自分がやっていることの影響下にあるのです。

どれだけ腕の細かいことが気になっていても、本当の意味で変化や解決をもたらすには。
自分が全体として何をやっているかから理解することが早道になります。


姿勢

このブログを読んでおられる方の多くは、単にフォームや「正しい奏法」というレベル以上に
演奏法や考え方への興味が幅広くそして深い方です。

ですからきっと、どうも姿勢が音色やテクニックのレベル、身体的な快・不快に関係していると
お気づきのことでしょう。

しかし、姿勢もまた結果だとしたら どうでしょう?

そう、姿勢とは姿勢形成・維持機能の働きの結果として目に見えるものなのです。つまり、姿勢=機能の一つ。ということは、姿勢もまた、自分が全体としてやっていることの結果なのですね。

ちなみに、自然でラクで効率の良い姿勢形成・維持機能を引き出すポイントは「頭」です。
頭を固定し引っぱり下げたり押し上げたりていると、姿勢は崩れたり硬直したりします。
頭を動けるようにしてあげると、姿勢はひとりでに勝手に良くなって行きます。

詳しくはこちらを参照:
一番のポイントは、なんと言っても『頭』。


レッスン

実際のアレクサンダー・テクニークのレッスンでよくある展開で考えてみましょう。

例えば「高音のときにカラダに力が入ってしまう」という悩みを相談に来た受講者がいたとします。
その受講者は

・高音を演奏する
・そのとき力が入る

という結果としての働きには気が付いています。

そこでアレクサンダー教師は

「じゃあ、力が入るとき、あなたは何してますか?」

と問いかけます。

すると受講者はたいてい

「..... えーと.....」

と口ごもります。

そう、「自分が何かをやっている」という発想が無いのです。
そこから先、

1:「何をやっているか」を知り
2:「何をしたいか」を見出し
3:「どうやってやるか」を実行する

そのお手伝いするのが、動きを理解し動きを理解するプロであるアレクサンダー・テクニーク教師の腕の見せ所です。

これを読んでいるみなさんもぜひ、まずは「自分は全身を視野に入れたら何をやっているかな」と観察してみるところから試してみましょう。

しばらくやってると、「ひょっとしたらこういうことかも?」というヒントが出てくるものです。

それでも自信がなかったり、もっと知りたくなったら、ぜひアレクサンダー・テクニークのレッスンを受けてみましょう。

試してナンボ!です。


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フルート&アレクサンダー・テクニーク [生徒さんの声]

2012年1月某日、東京交響楽団首席フルート奏者 甲藤さち 先生のお招きで、先生のフルート門下生のみなさまの集まりでアレクサンダー・テクニークを教える機会を頂きました。

みなさまはアレクサンダー・テクニークなんて、聞いたこともないとのことでしたが、甲藤先生がとても慕われる先生なおかげで、先生のお勧めならぜひやってみたいとのことでとても強い興味を示して下さいました。

教えた私自身、とても勉強になりました。もっともっと分かりやすく。もっともっと持って帰りやすく。レッスンを体験したその日から練習や本番に使いたくなるようなレッスンをこれからも目指します!

それでは当日の様子と、参加者の声をご紹介します。

木下玲子さん(フルート)
説明がとてもわかりやすく、身体についての勘違いにも気付かされました。バジルさんのソフトなお話のしかたもとても心地よく、良い時間を過ごすことができました。今後はもっとラクに楽器演奏ができ、身体的負担が少ないようになれると期待しています。ありがとうございました。


枡井宏子さん(フルート)
人間の解剖学の視点からの理論なので、説得力がありました。仕事柄からも興味が持てました。もっと勉強してみると自分の生活の中でもっと役立ちそうです。バジル先生のお話も上手で大変勉強になりました。ラクに楽しくフルートを吹けるようになること、肩こり解消が期待出来ます。ありがとうございました。


1FL.jpg


石渡万希子 さん(フルート)
本を読んでも分からなかったことが、体験出来て良かったです。コンセプトが理解出来ました。普段の姿勢や立ち座りにも応用出来そうです。自然でラクな奏法の模索に役立ちそうです。

M.S.さん(フルート)
無意識に身体にムダな負荷をかけていたことを知り、肩こり解消やひざ痛などの解消に効果を期待できます。フルートの演奏に活かしたいです。


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H.N.さん(フルート)
今日教えて頂いたことを自分でもっと応用出来たら、と思っています。普段は考え付かなかったことばかりで新鮮な知識でした。演奏中、腕の痛みを感じたとき等に意識すると、効果がありました。


T.K.さん(フルート)
頭のこと、身体のこと、自由さ。気付かされることが多かったです。ラクな演奏ができるようになれば、と期待しています。


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ご報告 [プロフィール]

報告がございます。

来年度4月より、東京藝術大学音楽学部器楽科管打楽器課非常勤講師として、
一年間アレクサンダー・テクニークを教えることになりました。

若輩者の私にこのような機会を与えて下さった関係者の方々に深い感謝を伝えたく思います。

一年間しっかり勉強しながら頑張りたいと思います。

なお今後も BODY CHANCE 所属教師・スタッフとして、
変わらず目黒や梅田でのワークショップを企画・開催致します。

尚一層の充実を図りたいと思います。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

Basil Kritzer



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信頼から始めよう [アレクサンダー・テクニークについて]

昨日、アレクサンダー・テクニークの教師養成クラスに出席しました。先生は、私が学びながら働いてもいるスクール BODY CHANCE の校長であり社長でもある、ジェレミー・チャンス先生

この日の授業は、参加者の質問や持って来た興味関心から、『信頼』というテーマが浮上しました。私も久々にホルン演奏への応用をレッスンしてもらいました。





私はここ最近、自分の「音楽的イメージ」と「技術的イメージ」にどうも不自然な分離があることに気が付いていました。技術的なことを考えると音楽を何だかあえて無味乾燥なものにしようとする、つまりあえて音楽的にならないようにしている自分があり、そして音楽に取り組もうとするとなぜか技術的なことは考えないようにする自分があることに気が付いていたのです。

どちらも不自然ですし、本来、音楽と技術は一切相反するものではありません。芸術は高められた技術によってこそ完成されますし、技術を磨くという行為そのものも芸術的です。

でも、自分がそれを分離させており、また分離させる過程において身体を緊張させていることにも気が付いていました。それで、「分離することをやめる」ということをテーマに授業に参加したのです。

この下にそのレッスンの動画を貼ってあるのでそれを視聴すると分かりますが、私がこのことを先生に言うと、いくつか質問をされました。

そのやり取りのなかでまず分かったのは、それまでの自分が「技術的イメージ」のつもりでやっていたは、実態としては「音が外れたり失敗したりするのがイヤだから、技術的に考えて確実さを増そうとする」というものだったこと、つまりホントの原動力は「技術的不信」にあったということでした。

これはもちろん、緊張を生みます。音楽を演奏しようとすれば、そもそもそれを支える技術に「不信」を抱いているわけですから、音楽に集中していません。音楽と技術的な不信事項にマインドが分散しているので、ここに乖離があるわけです。これは心身を同時に二つの方向に行かせるわけですから、葛藤が生まれ身体は緊張します。

そして技術的に取り組むにしても、「不信」を背景にした取り組みであるうちは、怖れていることを避ける、ダメな自分を改善する、という自己否定が原動力になっています。文化的あるいは言語的にはもちろん自己否定というものは存在し意義在るものですが、もっともっと原始的で生物界の法則から成り立っている身体は、「否定」を理解できません。身体はただ現実としてそこに在りますから、その身体に対して「ダメ=在ってはならない」というメッセージを送ると、身体システムはそれをうまく理解出来ず緊張します。

これが私が気が付いていた乖離感あるいは緊張の正体でした。私は「不信」を基に身体を動かし音を出すという無意識的なクセを持っていたのです。

ここで、まず現実を確認します。演奏をする。音楽をする。それはコミュニケーションすること/伝えることです。音を出す目的は、届けること/話しかけること/伝えること/共有することにあります。それを成し遂げ具現化するのが「技術」です。

ということは、演奏をするときは、そのために磨いてきた技術を信頼する必要があります。その技術がやりたいことをその通りにやれるレベルに達していてもいなくても、関係なくそのとき持てる技術を信頼するのです。

何かうまくいかなくなっているときに、修正し軌道に戻してくれるものが培ってきた技術ですから、うまくいかなくなったときに技術に立ち戻ればいい。そしてその技術があるからこそ音楽の本来の目的に専念できるのです。ということは、技術的レベルに関係なく、そのときの自分の技術を信頼することが必要です。言い換えると、「不信」とそれに付随する緊張を自ら手放し、「信頼」に置き換えることが必要なのです。

この日のレッスンでは、「不信」に動かされているときに頭と首から背中の中部にかけてちょっと動きを止めるという身体的に「やっていること」の結びつきを特定しました。

そして「信頼する」という新しいメンタルなプロセスと、先生の手のサポートを借りて固めるパターンを「やめる」ということを結びつけて吹いてみました。変化のためには思考と身体、両方同時に「新たな使い方」をやってみて、クセを置き換えるという実体験が必要なのです。

こうしてみると、楽器を持ち上げ息を吸うというところまで、すごく楽でスムーズに感じました。余計な不信と緊張をやめると、現実にこういう変化と感覚を体験するわけです。

しかしマウスピースが目の前の視界に入り、アンブシュアの準備に入ったとたん、またさっきと同種の緊張する動作を起こしてしまったことに気が付きました。メンタル的にも「音をハズす」ことにまつわるような意識が生まれした。

つまり、私にとってはマウスピースとの接触そしてアンブシュアの準備決定的瞬間(The Critical Moment)だったのです。

これで学んだことは三つ。

その1
決定的瞬間に、さらに意識的に「信頼する」&「固めない」という選択をし直す

その2
信頼を基盤にアンブシュアをセットすることができる。

その3
技術的イメージも信頼に基づいてできる。

この学びから、もう一度

・いまの技術を信頼する
・固めないという選択をする

ということをより強く意図しました。

すると、やっぱり発音する直前の一瞬、固めてしまいはしましたが、楽器を持ち上げ発音し音階を奏でるという一連の流れの中で、身体を固めている時間はずいぶん減り、スムーズでラクに吹ける時間が増えました。

オマケ的に、「不信/固める」のときは目をぼやけさせていること、「信頼/固めない/伝える」のときには視界と焦点が明確になっていることにも気付きました。自分がいつ不信モードに入っており固めているのかを知らせてくれるパラメーターになりますね。

良くなったことを気付いたとおりに先生に言うと、先生は一言。

「そう、良くなったね。ということは、技術も含めて、改善できるし良くなれるという『信頼』も持てるのだよ。プランを変え意識を変えると、身体もちゃんと変わってくれる。身体は必ずプランしている通りのことをやってくれると『信頼』できる。そう思ってもいいんじゃないのかな?」

なるほど....

ここにも『信頼』がありました。

まとめ

1:習慣的反応・クセ = 無意識的だけれど使っている『プラン』
 メンタル面=技術への不信
 フィジカル面=頭・首から背中にかけて固める

2:意識的で建設的な新しいプラン
 =技術を信頼し、コミュニケーションを意図する。

3:新しい心身の使い方(結果)
 メンタル面=音楽への専念。解放感。明確さ
 フィジカル面=固めない。視野が明確になる。もっとラクにスムーズに吹ける



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